熊本(八代)の家具・インテリアショップが手掛ける“コーディネート事例vol.38”
古畑任三郎、、みんな見てましたよね~。
新作は出来る予定はなかったにせよ、確実に出来なくなってしまいました。私の中の神回は木村拓哉、明石家さんま、その他も色々ありますが、やっぱり第一話の中森明菜です!これは外せません!!
是非ともシリーズ1から再放送していただきたいものです。外出がままならない今、自分の中の神回を見ながら田村正和さんのご冥福をお祈りするというのもありかと思います。
全く関係のない前書きからスタートしましたが、今回のブログはコーディネイト事例です。2019年から取り組んだ、私としてもとても思い入れのある「地獄温泉 青風荘」様です。
古くから湯治場として栄え、200年以上愛され続けていた地獄温泉。阿蘇五岳のひとつ鳥帽子岳に湧く温泉は、2016年4月に熊本地震、2か月後の6月に豪雨による土石流で甚大な被害を受けました。
オーナーである河津様は3兄弟。泥、岩、木が混ざった土石流が敷地を埋め尽くす壊滅的な状態の中、心折れることなく再建を決意されました。滾々と湯が湧き続ける地獄温泉を象徴する「すずめの湯」と、被害から逃れた明治中期の建物を見た時に、先人たちが守ってきた秘湯への思いを後世へ受け継いでいかなくてはならないと改めて強い気持ちを持ったそうです。
HTDにお話をいただいたのは2019年8月。「熊本地震からの復興なので、家具も熊本のショップでセレクトしたい」という思いから、村田建築設計所の村田様とコーディネーターの舟津様よりお声がけいただきました。
被害にあってから5年。再建プロジェクトが少しづつ形となり、「地獄温泉 青風荘」は生まれ変わっていきました。
2019月 4月 「すずめの湯」の復活と営業開始。
2019年11月 「元の湯」「たまごの湯」オープン。
2020年 5月 レストラン「山竃処 あそつみ」フロント棟オープン。
2020年 9月 宿泊施設「Hanare」オープン。
2020年11月 宿泊施設「曲水舎」オープン。
2021年 4月 宿泊施設「本館」オープン。
オープン後もコロナの影響などで、一部の棟を縮小して営業するなど大変な状況が続いてます。復旧工事も継続して行われている中、全館完全オープンした青風荘に思いを馳せながら今でもお仕事させていただいてます。
最初にお話しいただいてから2年弱、舟津様と打ち合わせとご提案を繰り返し、各施設内の家具をセレクトしていただきました。この度、一部を除きご納品が終わりましたので、各施設を3回に分けて紹介していきます。
今回は2020年5月にオープンした、フロント棟とレストラン「山竃処 あそつみ」です。日本家屋を象徴するような木造の三角屋根が印象的な建物で、ガラスで隔たれた空間は阿蘇の大自然を間近に感じることができます。ふたつの建物の下には災害の教訓を生かし、避難できるシェルターの役割も担った駐車場も作られていています。
ご納品させていただいた商品の詳細などは、コーディネイト事例にアップしてますので、ご興味がある方はそちらもお読みいただけると嬉しいです。
■フロント棟
青風荘をご利用される全てのお客様の受付が行われるフロント棟。河津様のお母様が生けられて毎日お手入れされている生花や植物が出迎えてくれます。花器とのバランスも見事で、この日もとっても素敵に飾ってありました。
↓フロント棟でセレクトした家具はこちらです↓
・TERRA(テラ)※画像がなくてすみません。
・ソファHILL(ヒル)ソファ
・SAN(サン)センターテーブル
・SAN(サン)インサートテーブル/テーブルトップはガラスから突板に変更した別注仕様
ソファとテーブルはいずれもKOKOROISHI(心石工芸)で、無垢材に日本製の本革を組み合わせています。この張地を選ぶにあたっては、オーナーの河津様もKOKOROISHIの直営SHOPでお話を聞いた上で、あえて経年変化しやすい革をセレクトされました。より自然な状態に近い革の方が、これからの青風荘の歴史を刻んでいくのにはベストだったと思います。河津様の「私が育てます!」という言葉が印象的でした。
一人掛け用のラウンジチェアの間にはオリジナルでオーク材(突板)のテーブルを制作させていただきました。
■レストラン
「山竃処 あそつみ」はテーブル席、カウンター席、和室(個室)で自慢のお料理が楽しめるレストラン。レストラン中央に「竈(くど)かまど」があり、釜戸で炊き上げた最高に美味しいご飯が名物です。
↓レストラン「山竃処 あそつみ」でセレクトした家具はこちらです↓
・ユナセミアームチェア/ウォールナット
・キャッチチェア/ホワイトオーク
・Leander(リエンダー)ハイチェア/幼児向けにセーフティーバー付きもご準備
炭火を使ったお料理をご提供されるので、火の粉が飛んでも大丈夫な板座の椅子が第一条件でした。2時間ほどのお食事の時間も快適に座れる板座のダイニングチェアです。
テーブル席の天板は、災害で崩れた建物に使われていた木材を再利用して作られています。古いものと新しいもので作られたこの空間でお食事しながら、青風荘のこれまでの歴史と新たなスタートを感じていただければと思います。
青風荘は何度訪れても不思議と元気をもらって帰ります。滾々と沸く温泉から得られる大自然のパワー!!!オーナーの河津様は、これを「ライジングエナジー」呼んでいました。世の中が苦しい今、心と身体をリフレッシュに、是非「地獄温泉 青風荘」に足を運んでください(^^)
次回は宿泊施設「HANARe」と「曲水舎」をご紹介します!!!
地獄温泉 青風荘
〒869-1404
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽2327
0967-67-0005
定休日 火曜日
※ご利用の際は、営業日や時間など事前にご確認お願いします。